売れ残ったパンはどうするの?
2016年 06月 06日
「合いません」と答えたら
(採算が合う。ってどういうことでしょうね。
利益がちゃんと出て、生活費が稼げるということ?
生活費を稼ぐ事はいまだ出来ておりませんが、
赤字ではない。と付け加えておきますね)
「では、売れ残ったパンはどうするの?」と聞かれました。
・・・
『捨てないパン屋』がネットで話題になっているのを見ました。
捨てないパン屋。。。
違和感ないですか?
これだと「捨てる」が基本になっていると思うのです。
大手のパン屋は、閉店近くなっても もりもりパンを作って補充しているようで
遅い時間でも、たくさんのパンが並んでいたりしますよね。
カフェを併設しているところでは
翌朝のモーニングセットで、売れ残りのパンを利用しているみたいですが
多くのところでは、値下げして売ると、正規品に響く為
販売残は破棄しているようです。
(自宅で食べることにすると、それは「家庭内消費」として計上しなくてはならないので、破棄した方がいい(?)のです)
製造販売者の目線が
パン=食べ物(生き物)ではないのです。
売れ残ったらゴミ。
ゴミ!?!?!?!?!?!?!?
哀しいですね。
売り逃すより売れ残る方がいい。
とされているからです。
分かります。
売り逃すのも辛い。
「もっと作っておけば!」と思うより
「欲しい人にちゃんと届く」方がいいですもんね。
分かりますけど ・・・
無理です。
当店は全て、本当の手づくりです。
酵母をおこすことも
パンをこねることも
生地をのばすことも
まるめることも
フィリングを作ることも
機械は使いません。
全部、わたしのこの二本の腕だけしか
(カラダ全体も使いますけど^^)
使わずに作っています。
(オーブンはカウントしないでくださいね^^;)
発酵を補助するホイロも使わず
保温ボックスに、毎回沸かしたお湯を入れた瓶を使っているのですよ。
素材も、適当に安く入手しやすいものを使っているわけではありません。
そうやって作ったものを売れ残ったからといって
まだ十分食べられるものを、ごみとして捨てるなんて出来ると思いますか?
わたしには出来ません。
そんなわけで、当店では最初から「捨てる」は選択肢にありません。
オープン当初は毎日いっぱい余っていましたけれど
それらはとりあえず、冷凍庫に入れてました。
賞味期限の実験の為に、常温で放置したり、冷蔵庫に入れたりもしました。
「冷凍やけしても美味しい」と言えるのは
半年間冷凍しておいたパンを、食べて実験しているからです。
(初期のおやつがまだ冷凍庫に入っているかも!?)
もちろん、カビが生えたら捨てますけれど
それは、最終手段。
季節によって、傷むタイミングが異なりますから、
実験はいまでもやっていますので
破棄する事もあります。
でも、作ったその日の閉店後に捨てる。
なんてしません。
パンに限らず、おやつもクッキーも
残ったものは、いつぐらいまでなら美味しいのか
自分で食べて調べる。を繰り返しています。
(厨房の床に落としたものまで食べてます。それでお腹を壊したことはありません)
当店は一日のご来店数がとても少ない弱小店なので
通常、1種類2~9個くらいしか作っていません。
通信販売など、最初から分かっている数と、当日の天気などからの予測で
作る数を調整しています。
パンもおやつも、1単位が少ない設定になっています。
パイやケーキもホールでご希望の場合は
ご予約いただけましたら、ご用意いたしますが
突然「全部」は、お断りしています
(全部買われたら、他の方に届きません)。
そんなわけで当店から出るごみの量は
週に一回、20リットルのごみ袋で出す程度です
(それもパンパンではなく、かなり余裕があります)
食べられるものを捨てるのは
いのちを捨てる事
どうぶつのように感情がわかるわけではない植物性でも
いのちはいのち
大事に育て
大事に使い
大事に食べたい
それが「当たり前」だと
多くの人に氣づいてもらえればと願っています。
by hatsutamono | 2016-06-06 11:04 | こだわり